13年ほど前にご納品させていただいたタモ接ぎ合わせ天板にフレキシブルレッグスを合わせたテーブル、拭き漆で塗装をさせていただいたものです。このたび拭き漆による再塗装を承りました。全面を研磨して漆を塗るという工程を3回ほど繰り返し、しっとりと上品な光沢のある仕上がりになりました。
こちらがお引き取りしてきた様子です。長年ご愛用いただいていた様子がうかがえます。うっすらと汚れがついていたり表面がこすれて肌触りが悪くなっていたりしました。そこでまず、全体を研磨するところから作業をはじめさせていただきました。WOODWORKの工房スタッフの一人、太田さんは漆工芸作家として作品制作を行っています。作家活動もしながらWOODWORKの工房スタッフとして加工を担ってくれてもいます。その太田さんのアドバイスを聞きながらの作業です。
普段はロータリー式の機械サンダーなども使いますが、拭き漆では木地の状態を繊細に拾ってしまうため機械でヤスリをかけるとロータリー(回転)の痕跡が漆を塗ってから現れる可能性があるということでした。そこで地道に手作業でやすり掛けをすることになりました。
研磨作業のあと、脚部は播与漆工さん、天板の塗装を太田さんが担当して作業させていただきました。
逆光で見ると表面の仕上がりの様子がよくご覧いただけると思います。最初の漆の塗膜も程よく残して下地としているので、タモ材の導管の凹凸のない滑らかな表面の仕上がりになっています。
縄文時代の漆器が出土しているように漆は非常に堅牢な優れた塗料です。直しながら使うと何十年、もしかしたらもっと長く使い続けて行くことができます。そして吸い付くような肌触りが心地よく、太田さんは「触りたくなる触感」と表現しています。お客さまにも、これだけ綺麗にしてもらえたら一生ものになる、と大変お喜びいただけました。ありがとうございます!
また十年後、再塗装をご依頼いただけるまで、またたくさんご愛用いただいたテーブルをお預かりできるのを楽しみに私たちもより精進してまいります。この度はありがとうございました。これからもどうぞ末永くよろしくお願い申し上げます。
◎タモ3枚接ぎ天板テーブル、漆再塗装
天板:タモ材3枚接ぎ
脚部:フレキシブルレッグス
塗装:拭き漆
サイズ:幅1300×奥行900×高さ700mm
ご納品作業をずっと見守ってくれました。
納品事例 │ 一枚板/無垢天板,食器棚/カウンター下収納