家具の端材を見たESOW氏が、「積み木のように町を作ろう。」
会話の中で出たアイディアがそのまま展示になりました。
建物の様な、家のような、オブジェの町。
そこに描かれる絵は、まさにクラフィティーであり、
目を凝らすとAetが町に広がる。
一つ一つの作品が集まる事で、「東京都台東区楽描キ町」となる。
【開催概要】
日時:2019年12月7日(土)~15日(日) 10:30~18:00
※12月7日(土)は、20:00までOPEN
※12月10日(火)・11日(水)CLOSE
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最近、ストリートカルチャーという言葉を耳にすることが多くなった。
特にファッションではよく聞くワードだ。
例えば、ハイブランドがストリートカルチャーを取り入れた、とか、セレブのパーティーでのフォーマルがストリート化してきた、とか。
ファッション評論家ではないので、これ以上は語れませんが。
アートでも、最近話題と言えばバスキアやバンクシーなど。
NYのポップアートもストリートカルチャーとは密接な関係と言える。
一つの特徴としては、近寄りがたかったり、不良の雰囲気が漂っていたりと、一部の限られた世界のようにみえるところもある。
その分、ファッションでは、スタイルのテーマのひとつとして、多くの人が取り入れやすいという点では、とても身近なのだろう。
ストリートカルチャーの中で、代表的なものにグラフィティがある。
歴史はとても深く、自分如きが語れる範囲ではないが、高校生の時に銀座の洋書屋さんで写真集を買ったことがある。
そこに載っているものは「凄い落書き」だった。
技術とクオリティーの高い落書き。
それがグラフィティ。
その本に書かれたテーマの意味は、ギャングの抗争で命を落とした仲間への追悼であったり、現実的な表現のメッセージが多かった。
生々しい現実のストリートから、生まれるべくして生まれたアートカルチャー。
ただ、落書きであるために、正当なもの、悪意あるもの、と受け取り方は多々あるのは事実。
それもまたグラフィティの要素の一つであり、否定的現実と背合わせの表現として、アートとしての価値が高いものかもしれない。
日本でも、グラフィティ文化がじわじわと育ち、多くの第一人者たちがその価値を高めてきた。
僕が思い浮かべるのは、横浜桜木町の線路下の壁。何十メートルもの壁にグラフィティが連なり、友達と何度も見にいった記憶がある。(今はありません)
そして、WOODWORKのある台東区にも代表的なグラフィティが多数存在する。
それがESOW氏の作品である。
ESOW氏は、1972年、東京生まれ。13歳でスケートボードに乗り出し、17歳で渡米。
そしてグラフィティと出会う。プロスケーターとしてのパイオニアの一人でもあり日本スケートカルチャーに関わる存在として、その魅力に惹かれる人も多い。
ESOW氏の感性は、独特なグラフィティを生む。海外の真似事ではなくESOW氏独自の作品テイストを作り上げている。
「日本文化を取り入れた」といった浅はかな話ではなく、このエリアで培ったストリートカルチャーが溶け込んだ絵であり、代表的なキャラクターの絵は1度見たら決して忘れない。
見た人の心に残る。
ESOW氏に言われた言葉で、「心に残るものを作らないとダメだ」と言われたことが常に心のなかにある。
僕はその言葉で、自分の家具はどうなのだろ?ととても考えた。
売れるものでないと収益は出ない、使いやすいものでないと売れない、作りたい物との間を行き来する自分にとって、
とてもシンプルで意味のある言葉だった。
人の心に残すことは容易ではない。
この展示が、色々な人の心に残る展示になればと思う。
一つ一つの家に描かれる絵は、まさにグラフィティであり、本当に魅力的だ。
自分が関われることはそのごく一部だけれど、作品作りに参加できることがとても嬉しい。
今回の展示では、ESOW氏が所属するアートユニット緑道會(りょくどうかい)のメンバーも筆を入れるなど、とても貴重な展示となります。
東京都台東区楽描キ町 ESOW×WOODWORK exhibition ぜひお楽しみに。
代表 藤本
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