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工房だより

二つの感謝

photo:Kozo Kaneda

 

 

今年は誰もが予期せぬ事態にみまわれ、全く想像もつかない日々を過ごすこととなりました。コロナと言う言葉は、耳を塞いでも聞こえてくるほどに、この得体の知れない物に翻弄される1年となりました。

 

何が真実かを見失いそうなほど情報が駆け巡る中、どうすればいいのか?どうなってしまうのか?
分からないことだらけに不安で、自分やWOODWORKも大きなダメージを与えられています。でも、そんな状況だからこそ、今年は二つの大きな感謝を感じる年でもありました。

 

一つは、WOODWORKを守る社員、スタッフ、職人、皆への強い感謝です。

 

この状況下、人はそれぞれの感じ方や価値観により、様々な選択を強いられます。誰もが同じでは無く、それぞれの感じ方によって進む方向や答えが異なることが強くなる状況でもありました。そして、そのズレが生じた時にこそ、難しい問題も起きる事があります。

 

でも、WOODWORKの皆は、その温度差をずらす事なく真っ直ぐに先を見据えてくれました。日々刻々と変わる情報、政府も全く予測できない曖昧な中、更新される日々を一つ一つを受け止め、困難の波を、おおらかに乗りこなす船のように、「仕事」へと向き合ってくれたのです。

 

これは、F.Makerの大きな経験であり、困難の1年を乗り越えられた力でした。本来ならば、お客様への感謝を述べる場でありますが、今年はまず先に弊社の皆へ心から感謝を伝えたいと思います。今年得たものは、困難な状況だからこそ価値あるものであったと思っています。

 

もう一つの感謝は、この状況下でありながらも、僕たちの作る家具を、心から楽しみに待っていてくれたお客様の存在です。

 

人と接することも難しい日々でありながらも、お気遣いの言葉をいただき、納品時にも暖かくお迎えいただけたこと。出歩くことすら不安になる中、わざわざお店にお越しいただき、WOODWORKでお過ごしいただけたこと。本来ならば、イベントや企画によってもっと楽しんでいただけるはずでした。

 

そんなやるせない思いを、変わらずお客様と接する時間をいただけたことで、働く者としてどれだけ救われたでしょうか。何かを作ることが出来るということは、僕らの存在意義であり、生活に必要である証だということです。そのことを改めて教えていただけたことに心から感謝いたします。本当にありがとうございました。

 

何が正しいかは日々の生活の中にあります。

情報だけでなくそれを感じなくてはなりません。

今年得た大きな感謝は、その答えであり維持していかなくてはならないものです。

 

この思いを来年は返せる年になることを願います。

マスクを取り、晴れやかに過ごせる生活が待ち遠しい。来年は必ずそうなりますように。

皆さま、どうぞ良いお年をお迎えください。

 

 

F.Maker 代表取締役 藤本 雅也

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