引き違いの扉は、木製のものとガラスのものがありますが、今回は木製の引き違い扉です。厚み20mmの板2枚を左右にスライドできるように、四方に溝を掘っていきます。
スライドの扉は、“開閉するためのスペースを必要としない”“地震のときなどに扉が開きにくい”といった利点があります。また、無垢の木の扉が滑る感覚や開閉するときに感じる扉の重みは、日常的な動作の中に無垢の木の家具ならではの使いごこち、楽しさを感じさせるデザインの一つです。
上下2本ずつの溝は扉をはめ込むために上側を深く、下側を浅く掘ります。
左右の側板には、扉を閉めた時に扉をカチッとおさめるための浅い溝を掘ります。
写真手前が左右のホタテ(側板)。深い掘り込みは本体を組むサネをはめるための溝で、浅い方が扉が収まる縦の溝です。
本体の組み上げまで進んだので、圧着中の本体にスライド扉をいれてみました。
背面側から見たところ。開けるときと閉めるときと、どちらも指をかけて開閉していただきやすいように、裏側にも丸溝を掘りました。
整形の工程が終わり、これから表面の仕上げと塗装作業にはいります。
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