セレクトアイテムに新しく、照明が加わりました。
都行燈(みやこあんどん)さんがデザインと製作を手掛ける「月華(TSUKIKA)」と「P116」。
そして、手ぬぐい「森」をつかい都行燈さんが製作する「手ぬぐい照明」です。
このたびお取り扱いを始めさせていただくにあたって、改めて、
都行燈さんの歴史やものづくりについてお伺いしに、木崎さんを訪ねました。
都行燈さんの工房があるのは東日暮里。町工場や工房が多く、下町らしい活気のある街です。
工房で、製作途中の「月華」を見せていただきました。
月華は、細い角材を三角に組んだ基本のパーツを73個組み合わせてできています。
三角のパーツにはそれぞれに少しずつ角度がつけてあって、それを接いでいくことで
だんだんと円を描いて、丸い形になります。
カンナなどで何度も角度を微調整しながら球体に組み上げてゆくのだそうです。
都行燈さんの照明は、木と紙という和の素材と100年の木工芸の歴史のもとに作られています。
創業は明治の初め。都行燈さんも、WOODWORKの母体である下甚商店と同じく4代目になります。
組子技術をあしらった額縁を製造したのがはじまりで、その後、行燈、和風照明と、
時代の要望に合わせたものづくりが受け継がれてきました。
木でつくる枠は器具を支える骨組みですが、灯りをともすと影をつくります。
太くては不格好だし、とはいえ細すぎては熱で歪んだり、耐えられずに壊れてしまう。
素材の特徴や癖、熱や変化について理解したうえで、できる限り細く、最大限丈夫につくる。
行燈づくりの技術を受け継いだ職人だからこその、美しく繊細で、長く使い続けられる照明器具です。
「そのためにはツキ板や金物も使いますよ」
つくり手としての深い知識や技術を、頑ななこだわりにするのではなくて、
デザインを表現するためにいかに使うかということが大切。
何げなくさらりと語られるところが木崎さんらしいです。
職人としての顔と、デザイナーとしての顔、両方を柔軟に楽しんでいるような木崎さんは、
他のデザイナーさんとの作品づくりや、江戸時代の行燈の修理をしたり、
行燈づくりのワークショップを開いたり、様々なことに取り組まれています。
木崎さんとWOODWORKのものづくりは、どこか底の部分でとても通じるところがあるように感じます。
シンプルで美しい照明器具は、無垢の木の家具ともしっくりと馴染みます。
いま、木崎さんとWOODWORKは、オリジナル照明の製作を進めています。
つくり手どおしがつくる新しい照明器具です。どうぞお楽しみに!
<セレクトアイテム>
◎月華(TSUKIKA)
◎P116
◎手ぬぐい照明
<過去のイベント>
都行燈さんの照明をWOODWORKの家具と一緒に展示していただきました
◎WOODWORK caravan in senkiya 「WOODWORK新作家具展」(2012年9月)
◎いつものあかり、いつもの家具展(2012年10月)
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