ウッドワークの工房では、お客さまからご注文頂いているピコチェアの製作が進んでいます。
ピコチェアに限らず、椅子はパーツや工程が多く製作に手間暇のかかる家具です。
V字型はピコチェアの背もたれになる部分。
左下の細いパーツは、前後の脚をつなぐ貫になります。
パーツを木どりする時点ですでに、木目や色を合わせて準備をしているので、
一見同じもののようにも見えますが、
パーツ一本一本が、お互いにどれとどう組み合わさるか、すべて決まっています。
背もたれのV字型部分は、左右のパーツを中央で「カンザシ」という技法で継いでいます。
上の写真で見える、指し込んだ小さな板材の出っ張りはノミで削ります。
背もたれの複雑な面の組み合わせに合わせて、細かな手作業が施されていきます。
椅子は、毎日数十キロの体重を受け止めて壊れない、丈夫さが求められます。
作り手は、ひとつひとつのパーツの精度や丁寧な仕事の積み重ねで、
実感として間違いのないものを製作しています。
お客様には、何年もお使いいただいた後で、ふと実感していただければと思います。
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