TOPへ

工房だより

くるみ ロシアから来ました


 
 

 
 
 ◎くるみ材3枚接ぎ天板テーブル+ベンチ セット
 
 
 
  
 
  

 
 
 このクルミはロシアから来たものです。ウラジオストクとハバロフスク間の山林からとれたもので、そもそもその辺りではクルミがあまり生えていないのですが、珍しく良いものがあったので買い付けてきましたと、と問屋さんがおっしゃっていました。
 さっそくgoogle mapsでウラジオストクとハバロフスクを見てみたら・・・
 ウラジオストクが北海道札幌と同じくらいの緯度、ハバロフスクとの間は600キロくらいありそうです。うーん、広大だなぁ・・・
 クルミは主に北半球の温帯域に生息する樹。中国にも多く見られます。ロシアでの産出が少ないのはクルミの生息環境としては寒すぎるのかもしれませんね。
 
  
 

大きな地図で見る
 
 

 

 
 
 
 クルミ材、クルミの実が取れる樹。クルミは日本でも縄文時代から食べられていたようです。クルミは核果という硬い殻の中の仁を食べますが、当時の人はどうやってこの硬い殻を割ったんでしょうね?
 日本のクルミは本州から九州にまで広く自生していますが、あまり大径木にはなりません。日本のクルミ材はさらに白っぽい色をしています。アメリカンブラックウォールナット材と日本のクルミ材は、色合いは全くちがいますが木目の感じは良く似ているなと思いましたが、このクルミはちょっと雰囲気が違います。

 
 
  

 
 
 「このクルミって硬さは?」
 
 「柔らかいよ、ウォールナットよりも柔らかい」
 
 「タモよりも?」
 
 「タモよりも柔らかいよ」
  
 

 実際に手で加工をした藤本店長と鈴木くんに聞いてみました。材質の重さ、硬さは「比重」を見ると大体わかります。クルミの比重は0.53。1立方メートルで530kgくらい。アメリカンブラックウォールナットで0.63、タモで0.65、同じクルミ科のヒッコリーでは0.83とされているので、広葉樹のなかではそれほど重くない材といえるでしょう。このクルミも実際大きさの割には軽い天板に仕上がっています。
 
 
 
 

 
 
 それでも材の「感じ」は硬さ重さだけでは言い表せません。
 
 「じゃ、クリに似てる?」
 
 「うーん、クリというよりラワンかな・・・・いや、ニレに似てるな」
 
 「ふうん」
 
 
 木材に詳しくない方には禅問答みたいですよね。
 
 
 

 
 
 私も実際にテーブルを手のひらでなでなで・・・ようく触ってみました。手のひらで触るだけで木の違いがよくわかります。
 
 「あぁ、確かにラワンとニレに似てる・・・」
  
 ほんのりうっすらと目が肌にさわる感じ・・・木の木目、夏目と冬目がある感じ・・・これは実際に触ってみないと解りません、気になった方はぜひお店に来て実物を触ってみてくださいね。
 WOODWORKではどの天板もとても丁寧に仕上げているので、このざらっとした感じは仕上げが悪いせいではありません。これも木が持ってる個性の一つです。
 
 
 
 

 
 
 木肌がツルツルしてないなんて嫌だなぁと思ったかた、いらっしゃるかも知れません。でも私は逆で、こういう木こそ長く使ってのんびりメンテナンスを続けると、この木でないと出ない質感が出るんだろうな・・・と思いました。 
 
  

 
 

 
 

 
 

《CATEGORY》

 

《ARCHIVES》