2010年2月23日から上野の西洋美術館で開催の、「フランク・ブラングイン展」のために、WOODWORKでベンチを製作することになりました。
「フランク・ブラングィン展」公式ホームページ>> http://www.fb2010.jp/
フランク・ブラングィンは国立西洋美術館設立の礎となった、松方コレクションを築いた川崎造船所(現・川崎重工業)の初代社長、松方幸次郎にヨーロッパにおいて美術品蒐集の指南役となった画家でした。
ブラングィンが描いた造船所や労働者をテーマとした力強い絵画に見せられた松方は、その主要作品を次々と購入し、ついには究極の夢である、コレクションを公開する「共楽美術館」の建築デザインをブラングィンに依頼します。関東大震災後の経済危機により、美術館建設計画は実現しませんでした。実現ずればブラングィンの作品が総合的に展覧されるはずでした。
ブラングィンはアーツ・アンド・クラフツ運動からアール・ヌーヴォー、アール・デコという同時代の装飾芸術運動を背景に、油彩画だけでなく、カーペット、家具、陶磁器、版画や挿画本にも製作範囲を広げ、当時を代表する画家として活躍しました。
この「フランク・ブラングィン展」は、国立西洋美術館開館50周年を記念し、「ブラングィンと松方のストーリー」を軸に、ブラングィン芸術を回顧する日本では初めての展覧会です。松方のための共楽美術館のデザイン画のほか、散逸してしまった松方旧蔵のブラングィン作品も探し出し、松方によるブラングィン・コレクションを可能な限り再現します。
この展覧会最大の見どころの一つとして、会場の一角に共楽美術館を再現します。もし共楽美術館が実現していたら松方が集めた本物の西洋絵画を、ブラングィンがデザインしたベンチで鑑賞していたであろう・・・そのベンチをWOODWORKが製作することになりました。
このベンチはご来場の皆さんが実際に座ってブラングインの作品を鑑賞できるように製作され、実現しなかった共楽美術館とブラングィンデザインを体感していただけるものです。
ベンチのもととなるのは1905年、ベネツィア国際博覧会(ビエンナーレ)で設置されたベンチです。現在もベネツィア・ビエンナーレ会場で使われています。
ベンチの製作は鈴木が担当します。
ベネツィアに展示されているベンチから採寸した図面をもとに、ブラングィンデザインを再現します。
こんにちわ。鈴木です。
このような機会をいただけたこと、大変嬉しく思います。
今回は作り手として、実際にブラングィンからお願いされた気持ちで
製作に取り組んでいきます。
実製作は年が明けてからブログで製作途中を随時ご紹介していきます。
楽しみにしていてください。
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国立西洋美術館開館50周年記念事業
「フランク・ブラングィン Exhibition of Frank Brangwyn」
◎会期:2010年2月23日(火)~5月30日(日)
◎月曜休館(ただし3月22日と5月3日は開館、3月23日(火)は休館)
◎開館時間:9:30~17:30 ※毎週金曜日は20:00まで(入館は閉館の30分前まで)
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