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工房だより

工房見学 その3


 
 
 何十年も前からそこにあったたたずまい。なんの飾りけもないこうした雰囲気ってとてもかっこいいです。まだしばらくはお休みのストーブに火がともると、この椅子で職人さんたちが暖をとりながら煙草をふかす・・・毎年繰り返される風景なんでしょうね。
 

 
 これがスズキ式ろくろです。
 この左右の「ならい」と呼ばれるガイドに「型」をはめて内側、外側と順に削っていきます。ではその型はどうやって作るかというと、できているお椀やお皿に刃を沿わせて(もちろんこれは切れない刃)、「ならい」側にセットした鉄板に跡をつけ、その跡をカットすることで鉄板の型を作ります。 
 

 
 

 
 これが型。右側の二つはWOODWORKでお願いしているお皿の型です。よく見てみてください、お皿の形にはなっていないですよね。左右対称でもないし。これは、「ならい」に沿って刃物を動かすけれど、決して直線的で機械的な動きではなくて、職人さんの腕の動き、刃物がついた棒の円運動も組み合わさった動きが含まれているから。
 
 説明が難しいのですが・・・鍵を作ってもらうと、カッターが左から右へ動いて全く同じ形を自動で削っていきますが、あれとは違う、ということです。
 
 どうしてそういう風にできないか、はいろいろ理由があると思いますが、このとき教えて頂いたお話からひとつ。どんなにきちんと研いだ刃でも、幾つも削っていると刃が減ってきますよね。その時単純に形を写すだけのガイドでは、すぐに刃物が当たらなくなって形を削りだせなくなってしまいます。
 職人さんはそのほんの少しの変化も感覚でとらえて、研ぎたての刃の時も、少し減ってきた刃の時も、同じ形に削り出すそうです。すごい!!! 
 
 

 ある職人さんの台。奥で小さなピンク色のラジオがなっていました。
 

 

 
 途中で職人さんが「やってみるかい?」と言ってくれましたが、小椋さんに止められました。すぐ刃を欠いちゃうからやめた方がいいよ、って。
 削ることよりも、刃物をつくって調整して・・・と全部こなせるようになるには、4、5年はかかるそうです。 
 
 そうして何十年ともくもくと仕事をこなしてこそ、ここにいらっしゃる職人さんたちのようになれるんでしょうね。とてもとても勉強になりました。本当にありがとうございました!
 
 
 
 
最後におまけ。
 
 
 


 
 小椋さんが連れて行ってくれたお店の巨大ソースかつ丼!!!一枚板カツ天板って感じ。
 
 この写真でも本物の凄さは伝わりきれてないんじゃないかしら。ソースはあまからでカツは見た目より軽くてとても美味しかったのですが、さすがにこの量は・・・!私は頑張って3個くらい食べましたが、カツは半分以上残してしまいました。完食したのは学生の彼だけで、鈴木君はカツに合わせてご飯を追加してもらったら、惜しくもカツが食べきれませんでした。
 
 会津では人が集まる席で供されるものは持ち帰って、家族にこんな集まりだったよとお土産話と一緒にふるまう、という風習があったそうです。このてんこ盛りのカツも、お持ち帰りするのをよしとするこうした風習の名残なのかもしれませんね。私が残したカツは翌日カツサンドにして頂きましたけど、カツサンドもいけましたよ!
 
 会津にいらしたらラーメンのほかに、ソースかつ丼もお忘れなく!

 

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