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工房だより

緊張と歓びのカターン、カターン  …あと5日

本日も工房便りをご覧いただき、ありがとうございます。

昨日の雨は、夜のうちに上がり日付が変わる頃には星とともにきれいな夜空が見えました。今日は、秋晴れが戻るようです。高校時代の友人の挙式がある今日、2次会に招待させているため久しぶりにジャケットを着たら…かなりタイトな着心地のため、ボタンがついてこれませんでした、おはようございます直井です。

 
今日は、新作展「WORKS of WOODWORK」に向けて、つくり出した家具のひとつの椅子の小話です。

先月末のカフェイベント「WOODWORK CAFE」にて、お越し頂いた多くの皆さまにご覧頂き、お掛け頂きました。
見た目のシャープさとは、違い座り心地が良いという印象を多くの方に感じて頂き、スタッフみんなでニンマリ歓びました。

その時のお掛け頂いた皆さまの声をもとに、座面の大きさなどの形を含めた、最終的な座り心地の調整をしました。写真の奥の椅子が、生まれ変わったものです。座り心地はより良くなりました。

座面のファブリックは、枠を広げて11色に選び直しました。
そして、右の写真の先日届きました、そのきれいなファブリックは今現在、椅子の張り屋さんに張って頂いているところです。
これまでご覧頂いたタモ仕様、お披露目出来ていないウォールナット仕様の木枠と、新しく選りすぐったファブリックの座面の組み合わせが、とても楽しみです!

皆さまも、その仕上がりをもうしばしお待ちください。

 

 

実は、「ウッドワークカフェ」のときには、名はついていませんでした。
みんなでうんうん、頭をひねり、悩み考え決まった名前はピコチェア
この名の小話はまた後日…。

あれから、このピコチェアは椅子としての耐久性を確かめるために、「日本文化用品安全試験所」というところへ預かって頂き、「繰り返し荷重試験」という試験を実施して頂きました。
家電などそういったものでも、様々な耐久性を確かめる試験があるようです。
例えば、冷蔵庫の扉。ある程度の強さで開けては、閉め、開けては、閉め…というようなことを繰り返すという試験があることを聞いたことがあります。

今回ピコチェアが受けた「繰り返し荷重試験」とは、子どものころに椅子に座ってやる仕草に似ています。それは、椅子の後ろ脚を基点に前脚を浮かせ後ろへ傾く仕草。
傾けて、戻って…カターン。
もう一回、傾けて、戻って…カターン。
試験は、機械で固定された椅子に、人ひとりが座っていることを仮定した重りを載せ、決まった傾きまで後ろへ引きこみ、元に戻す動作の繰り返しです。その回数、4000回。
日ごろ、頻繁に動かし、様々な動きある力がかかる椅子ですので、こういった試験を通すことでより皆さまに安心してお使い頂くことができます。

…試験から戻った椅子は、座面が外れてしまったものの、木枠に全くの異常はなく、この結果と試験から無事に生還したピコチェアを前にみんな素直に歓びました♪

工夫をこらし組み上げた椅子でしたので自信はありましたが、試験に出している間、壊れていないかどうかと、話題に出てはドキドキし、朗報を待ち望んでいました。
外れてしまった座面は、改良いたしましたので自信を持って皆さまに提供させて頂けます。

こちらの出来上がりも、楽しみにお待ちください。

 
「WORKS of WOODWORK」 
◎会期/2008年10月30日(木)~11月23日(日)
◎会場/WOODWORK内 イベントスペース
 
 
2008年、WOODWORKの仕事と新作家具展

「WORKS of WOODWORK」まで、あと5日です。
 
 

 

これは、譲って頂いた「観心」という名前の鉋です。この鉋の名前のように、色々なものやことを観る心や、字は違えど、色々なものを歓ぶ心も大切にものづくりをしていきたいな、と思えた試験結果のでた一日でした。

 

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