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工房だより

70年

東京材木商協同組合 看板

 

 

 先日、WOODWORKも加盟する、東京材木商協同組合の70週年を祝賀する式典が催されました。

 

 東京材木商協同組合(以後、材商)は、木材の安定的な流通と供給に貢献し、組合員の互助を図る組織です。組合員は木材を商うだけでなく、街の材木店として専門知識を活かし、エンドユーザーへ木材という素材のもつ魅力の認知、普及にも務めています。

 

 成り立ちは、天正18年(1590年)徳川家康が江戸城に入城したときにまでさかのぼります。駿河、遠江、三河の諸国から材木商人を呼び寄せ、江戸城をはじめ江戸の町づくりのための材木調達を命じたことが源流になりました。
 延宝年間(1673年-1681年)には問屋を分離し、材木仲買仲間として幕府の官許を得て、500余名の株(同業組合員)を立ててきました。明治維新後は、新政府の作配に従って材木渡世組合、材木仲買小売組合が設立され、さらに明治24年に東京材木商組合に改称されました。明治43年、法律による東京材木商同業組合を結成。戦争のために解散を余儀なくされた時期もありましたが、戦時木材統制が解除された昭和21年に組合組織が復活され、現在までつづく材商が誕生しました。

 

 WOODWORKは母体であった材木商、下甚商店のもと、材商組織の活動に参加したり組合員の材木商の方々との交流もありました。現在では下甚商店とともに一組合員として材商に参加しています。

 

 とはいうものの、WOODWORKは材木をそのままに商うことはしていません。家具につかっているのもほとんどが広葉樹なので、以前取り扱っていたものとは異なります。それでも材木店としての経験や知識、この場所で積み重ねてきたものは今もWOODWORKのなかに受け継がれて血肉の一部になっていると思います。
 反対に、木を素材としてデザインする、ものを生み出すという多くの材木屋になかった力もを私たちは大切に育ててきました。長い歴史ある材商にあって、私たちはまだまだ若輩ではありますが、樹を知り、木材を取り巻く環境も理解したうえで、私たちにできる家具づくり、WOODWORKらしいモノづくりをこの場所から発信していけたら、今までとは違った価値で材商に参加していくことができるのではないかと考えています。

 

 

2006年7月25日下人商店林場

 

以前のWOODWORKでは日常的な風景だった、垂木の上げ下ろし。

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